
イーヴォ・ポゴレリッチ 2nd Night
このリサイタルが決定した時に、是非聴きに行きたいと思っていました。(特に2nd Night)
しかし月曜日と水曜日…
ポゴレリッチの場合は演奏時間が長くなりがちなので、下手をしたら帰れないかもしれないし、たとえ帰れても翌日の仕事に支障がでますからね〜
金曜日か土曜日だったら確実に発売日にチケットを購入したんですけど。
しかし、偶然にも以下の3つの出来事が重なり聴きに行けました。
1.東京出張は金曜日が多いのが、今週に限って出張先の都合で木曜日になったこと。
2.今日は用事があり、午後半日休暇を取得する事にしていたこと。
3.木曜日の出張が決まったのが月曜日だったのに、今日でもネットからチケットを買えたこと。
このどれか一つでも欠けていたら今日のリサイタルには行けませんでした。
明日は東京出張なので、帰れなかったらビジネスホテルにでも泊まっちゃえば良いしね〜
でも、ビジネスホテルに泊まるとなぜが体調を崩す事が多いんです。
空調で喉がおかしくなったり、熟睡が出来なかったり…
そんな訳で、一応明日の出張の資料を持ち着替えも持ち出かけました。
今日購入したチケットは、会場渡し… それも先着順で席を割り振るというタイプ
引き換え開始時刻の18:00少し前にサントリーホールに到着したら、10名ほど並んでいました。
しかし、窓口が空いて様子を見ていたら私の前に並んでいた人たちは、みんな当日券購入のためでした。
だから、あらかじめネットで購入して並んでいいたのは私が一番。
結構いい席を割り当てて頂けました。
2階センターブロックの鍵盤側の通路に面した席です。
今日のプログラムですが
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35「葬送」
リスト:メフィスト・ワルツ 第1番 S.514
休憩
ショパン:ノクターン ハ短調 op.48-1
リヅト:ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
まずは若干ゆっくりと始まったショパンのソナタ。
以外に普通(笑)
3楽章に入って、強弱のコントラストが強い葬送… でもショパンPコン2番をいきなりフォルテで弾き始めた時ほどの衝撃はありません。
終楽章はかろやかなショパンでした。
演奏時間は約30分。(まぁ、若干遅い程度)
リストのメフィスト・ワルツになりポゴレリッチの力強さが爆発しました。
昨年、ダニール・トリフォノフのメフィスト・ワルツを聴きましたが、トリフォノフが緊張していたせいか少し固めの演奏でした。
それに比べると大胆でダイナミックな演奏。
演奏時間は約20分(部分的にかなり遅い演奏)
ここで休憩が入ります。
「何だ、少し丸くなったのか?」と思ったのは大間違い…
後半はショパンのノクターンから。
出だしを聴いて、このままだと30分くらい演奏するんじゃと思うほどのスローテンポ…
でも、何とか15分程度におさめました。
前半は、ショパン、リストと思える演奏でしたがこれはショパンじゃない(笑)
圧巻は最後のリストのピアノ・ソナタ…
これは言葉では説明出来ないような演奏でした。
一音一音を大切に弾くポゴレリッチ、聴く方も真剣そのもの。
普通は30分前後の曲ですが、気がついたら約50分の演奏。
でも、そんなに長くは感じられませんでした。
最後の数音を弾くのにたっぷり3分はかけました。
最後の音を弾いても、微動だにしないポゴレリッチ…
楽譜を手にし、椅子をピアノの下に投げ入れるまで場内は静まり返っていました。
彼が椅子をピアノの下に入れるのは、演奏に満足したという現れだそうです。
だからアンコールはなし。
最も、これだけの演奏を聴いた後なのでアンコールを求める人も居なかったにちがいありません。
今日はショパンとリストを聴きに来たというよりも、まさにポゴレリッチを聴きに来たという印象。
とにかく、最初から最後までどんな演奏になるのか緊張感を持って聴いていたので、疲れました。
クラシック音楽を聴きに来て、こんなに緊張する事は滅多にありません。
21:30には終演したので、宿泊せずに帰って来ました。
でも4曲でこの時間だから、早い訳ではないんですけどね(笑)