
ムジカ・ヴィッツ サマーコンサート2012 その2
8/21日、ルーテル市ヶ谷センターホールで行われた「ムジカ・ヴィッツ サマーコンサート2012 」の詳細です。
昨日の「その1」も参考にして下さい。
メンバー紹介をもう一度…
ヴァイオリン:増尾朗子
チェロ:羽川真介
クラリネット:八段悠子
ファゴット:山田知史
コントラバス:田邊朋美
ホルン:福川伸陽
ピアノ:渚智佳
プログラムは
モーツァルト:ファゴットとチェロのためのそなた K.292(Vc、Fg)
メシアン:峡谷から星たちへ(Hr)
カルクブレンナー:グランド・クインテッド イ短調 作品81(Vc、Cb、Cl、Hr、Pf)
ビッチ:コンチェルティーノ(Fg、Pf)
ハチャトリアン:クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲(Vn、Cl、Pf)
R.シュトラウス(ハーゼンエール編曲):もう一人のティル・オレインシュピーゲル(Vn、Vc、Cb、Cl、Fg、Hr)
アンコールは全員でヨハン・シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカ
モーツァルト:ファゴットとチェロのためのそなた K.292
地味な楽器の組み合わせなので、地味な曲かと思っていましたがそんな事はありませんでした。
アレグロの楽章は、小気味良いテンポでFgがメインでVcは伴奏というスタイル…
ロンドの部分では両楽器の掛け合いがあり、面白かった…
ケッヘル番号は付いているものの実際にはモーツァルトの作品という確証はないそうです。
メシアン:恒星の呼び声(Hr)
この曲はチラシになかったので、プログラムを見て驚きました。ラッキーでした。
昨年、東京オペラシティのBtoCで福川さんが吹いた曲…
昨年と同じようにバックに上板をあげたピアノを配置、響かせる演奏でした。
ちょっと違ったのは、昨年はピアノは正面を向いていたけど左右は少し斜めになっていた事…
それによって反響がさらに大きくなった気がしました。
この曲はメシアンの 峡谷から星たちへの一部分で、Hrの独唱楽章…
実施にはピアノは使いません。
だからピアノを使っての反響は作曲者の指示ではありません。
しかし、反響を上手く使う事によって「叫び」が良く表現されていました。
のぶさん、お疲れさまでした。
カルクブレンナー:グランド・クインテッド イ短調 作品81
この作曲家は知りませんでした。
楽譜も絶版で見つからずに、最終的にはボストン図書館でコピーさせてもらったとか(笑)
そうなると、どうやってこの曲を見いだしたんでしょうか?
ピアノの早いパッセージを中心にした曲でした。
メシアンの峡谷から星たちへは自然や風景、鳥の声、星がテーマですがこの曲は自然と生き物がテーマのような曲でした。
ピアノが波、風などを表現し、各楽器がそのなかに済んでいる魚や鳥や小動物のイメージ…
例えば、荒波の中を必死に泳ぐ魚、静かな海を悠々と泳ぎ回る魚達…
強風の中に身を潜めている鳥達、心地よい風の中を舞う蝶…
こんなイメージを持って聴いていました。
いやー、この曲… 名曲でした。
ビッチ:コンチェルティーノ
この曲も初めてでした。
本当はファゴットではなくフレンチ・パッソンのために書かれた曲だとかで、高音部の演奏が少し辛そうでした。
前半は、何かファンタジー系のゲーム音楽や映画音楽のような感じでした。
後半はFgのソロで始まり、何となく不安感を与えるような感じでPfが加わる事でそれが解消して行きました。
ハチャトリアン:クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲
新古典的なイメージで、メロディが分かり易くて良かったです。
各楽器のバランスも良かったし…
R.シュトラウス(ハーゼンエール編曲):もう一人のティル・オレインシュピーゲル
チラシではティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらの五重奏版と書いてあったので、打楽器がないのにどんな演奏が聴けるのかと思っていました。
実際には「もう一人のティル・オレインシュピーゲル」という曲名が付いた五重奏曲でした。
しかし、昨日はそれでは終わりません…
本来は登場しないVcが原曲の楽譜を編集して参加し六 重奏曲になりました。
本来の交響詩に比べると小回りが利くティルを表現しているような感じで小気味良かったです。
スネアドラムなんかもCbが表現したりしていました。
最後のアンコールではホールがいきなり運動会のグラウンドになりました(笑)
各メンバーはソロやオケの一員として活躍されている中で、これだけの曲の合わせを行って質の高い演奏を聴かせて頂きました。
また行きたいと思わせる演奏会です。
帰りは新幹線の最終…
何とSuicaのラッピング新幹線でした。
写真を沢山撮ったので、明日以降に紹介します。