
マリア・ジョアン・ピリス ピアノ・リサイタル
実際に聴きに行ったのは3/13日です。
プログラムは、前回と同じ
シューベルト:4つの即興曲 op.90 D899
ドビュッシー:ピアノのために
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960
前回聴いたのはサントリーホール、今回はヤマハホール…
全然違いました。
今回の方が断然良かったです。
やはりピアノのソロ・リサイタルは2,000人も入るホールよりもこじんまりとしたホールの方が合っているのでしょう。
ちなみにヤマハホールは333人収容です。
ピリス自身も一人一人に語りかけるように演奏できる「シューベルティアーゼ」みたいな演奏会を望んでいるので、よりそれに近づいたリサイタルだったといえるでしょう。
席は1階P列6番…
中央ブロックの鍵盤よりの通路側です。
チケット購入に出遅れてたという事もありますが、もし発売日に購入したとしてもこの席を選んだと思います。
程よい高さで演奏している時の横顔や鍵盤及び左右の手の動きが良く分かる席です。
やはり、最初の1音から最後までピリスの世界でした。
力強い演奏だけど、ただの力強さだけではなくてその中に優しさとか柔らかさが含まれています。
演奏活動を休止する前の若い頃のピリスにはなかった音ですね。
全体的にはすごく自然な演奏でした。
きっとシューベルトの人生における痛みや病気との闘いなどをピリス自身の辛かった時と置き換えて自分と向き合った結果なのかも知れません。
そんな事を思いながらだと、涙無くては聴けませんでした(笑)
D960の最後の音が消えてしばらくは場内はシーンとしていました。
みんな余韻に浸っていたんでしょう。
私は、「あ~、終わっちゃったんだ」と思っていました。
この後に、ちょっとした事件が起きました。
これまでのピリスはアンコールでシューマンを演奏してきました。
その日も同じだろうと思って準備?していたのですが、ピリスが選んだアンコール曲はシューベルトのD935-2でした。
そうきますか~
ずるいです! でもとても優雅な演奏でした。
場内が明るくなっても絶賛の拍手は鳴り止みませんでした。
今日は日本ツアー最後のKitaraでのリサイタル…
アンコールは何を選曲したんだろうな~
今年の7月に70歳を迎えるピリスですが、いつまでも元気でまたの来日公演を期待しています。