
第635回 日フィル東京定期演奏会
本日のプログラムは
指揮者:アレクサンドル・ラザレフ(首席指揮者)
ピアノ:岡田博美
コンマス:扇谷さん
ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
ラフマニノフ:交響曲 第1番 ニ短調 作品13
8ヶ月ぶりのラザレフ登場です。
前回は3.11…震災当日に約70名の観客を相手に椅子に座りながら指揮をしてくれました。
当時は、余震対策で椅子に座って指揮をしているのかと思っていたのですが…
腰の具合が悪いからという事を後日聞きました。
その後、全ての活動を休止し手術及び静養を行っていました。
少しスリムになって元気に登場されました。
今回から「ラザレフが刻むロシアの魂」第1段としてラフマニノフ交響曲の全曲演奏が始まります。
最も昨シーズンで終了する予定だったプロコのチクルスも静養中の来日中止により終わっていません。
これは、来シーズンのプログラムに組み込まれる予定だそうです。
まずはショパンのPコンですが…
岡田さんの演奏はCDも含めて初めて聴きました。
大学在学中に日本音楽コンクールのピアノ部門で第1位になられた方で、その時のコンクールでは小山美稚恵さんが入選しています。
お歳は小山さんの少し上でしょうか?
ロンドンを本拠地に活動されているようです。
本日の演奏ですが、少し大人しい演奏に感じました。
ラフマニノフの交響曲第1番ですが、この曲は初演で「地獄の音楽」とか「ロシアのハルサイ」とか言われるように酷評された曲です。
これには、名前は伏せますが指揮者の解釈やオケの力量不足が原因ではないかとも言われています。
本日のラザレフと日フィルの演奏はとても素晴らしいものでした。
そもそも重々しい曲ですが、それが力強い濃厚な演奏になりました。
多めの弦も良いアンサンブルを聴かせてくれました。
心が揺さぶられました。
あまり演奏機会が多い曲ではないので、楽団員の方も初めて経験される人がいたと思いますが、ラザレフの強烈なコントロールの元に素晴らしい演奏が実現したのではないかと思います。
何でも、ボーイングまで指示があったようで守らされたとか…
それだけマエストロにも思い入れがあるのでしょう。
とても腰を痛めてるとは思えない激しい指揮ぶりでした。
終演後、マエストロの「握手会」がありました。
復帰祝いと、これからのロシア魂スタートの記念なのでしょう。
ついでにサインもして頂きました。
通訳を通じて、3.11にはここ(サントリーホール)に聴きに来た70名の1人なんですよとか少しお話をして、力強い握手をしてもらいました。
ただ、まだ腰は完全ではないようですので無理をせずに次回来日の来年3月以降も楽しませて頂ければとお願いしてきました。